弁護士コラム
第214回
『保育士(幼稚園教諭)の退職代行で失敗するケースとは?【弁護士が解説】』について
公開日:2026年1月22日
退職
弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。
退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。
その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。
コラム第214回は『保育士(幼稚園教諭)の退職代行で失敗するケースとは?【弁護士が解説】』について解説します。
令和8年1月8日「テレビ朝日スーパーJチャンネルに清水弁護士が出演しました。
あけおめ退職について解説しました。
退職代行のご依頼につきましては、弁護士の退職代行からお問い合わせください。
目次
1.幼稚園教諭や保育士が退職できない理由について
幼稚園教諭や保育士の方からのご相談が増えています。幼稚園教諭や保育士の方が弁護士の退職代行を依頼する理由について清水弁護士がコンパクトに解説します。
幼稚園教諭や保育士の方が退職代行を依頼する理由の一つとして、退職が難しいことがあげられます。退職が難しい理由としては、年度が影響していると私は考えております。
日本の幼稚園や保育制度としては、4月1日をはじまりとして、3月31日までを1年度で区切りとしています。
仮に、年度の途中で退職するのであれば強い引き留めがあることが予想されます。しかしながら、年度の途中であっても、諸事情で退職したいと思うケースもあります。諸事情の主な原因としては、体調不良などが挙げられます。
さらに、主担任であった場合には、年度の途中で退職することがさらに難しくなるのは想像に難くないと私は思います。
過去、私の方で退職代行したケースでは、幼稚園教諭や保育士の方からの退職代行の依頼はとても多いものでした。
2.失敗するケースとは
次に、幼稚園教諭や保育士の方が退職代行されたケースでやめることができないケースを先に紹介します。幼稚園教諭や保育士の方の雇用形態が『契約社員』である場合には、気を付ける必要があります。
契約社員とは、4月1日から3月31日までの1年契約になっているケースが考えられます。その契約期間の途中で『退職』したいと考えた場合には、民法628条によれば、退職するには、『やむをえない事由』が必要となります。
一般的に、やむを得ない事由とは、体調不良など退職者に責任がないと言える事由が考えられます。
一般的には、契約社員(幼稚園教諭や保育士)の場合には、やむを得ない事由がないケースでは、幼稚園や保育園側としても退職を受理することは少ないと言えます。
したがって、契約社員であった場合には、やめることができない場合もあるということを事前に理解し、どのようにすべきだであるかを担当の弁護士の方と事前に相談することをおすすめします。
3.正規職員の退職代行について
では、契約社員の雇用形態ではなく、正規職員(期間の定めのない雇用契約)の場合の退職について解説します。一般的には、正規職員のケースがほとんどだと思いますので、改めて解説します。
期間の定めのない雇用契約の場合には、民法627条第1項により、退職の申し出から14日経過後が退職日になります。さらに、有給がある場合には、その有給を消化して退職するケースがほとんどです。
また、退職代行した際には、退職の通知をしてから出勤しないことがほとんどですので、その日から有給消化、または、欠勤にしてそのまま退職になることがほとんどです。
ここまでをまとめますと契約社員の雇用契約では、退職理由によっては退職できないケースもありますが、正規職員の場合には、退職理由を問わず退職の通知をしてから14日経過後であれば退職できます。
なお、幼稚園教諭や保育士の方から即日退職についてご質問を頂くことも多くありますが、今回のコラムでは省略しますので、コラム第35回『即日退職と退職代行』について、をご参照ください。
4.まとめ(引継ぎ対応)について
今回は、退職ができないケースについて詳しく解説しましたが、退職時に引継ぎ事項が発生することでその引継ぎ対応についても揉めるケースもあります。例えば、児童要録を記入する必要があり、その記入をする必要が発生するケースもあります。
その際の対応などについても事前に担当弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介
いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。
この記事の執筆者
弁護士清水 隆久
弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士
埼玉県川越市出身
城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。
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