弁護士コラム

第131回

『海上自衛官の処分待ちの交渉は弁護士がおすすめな理由』について

公開日:2025年6月27日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第131回は『海上自衛官の処分待ちの交渉は弁護士がおすすめな理由』についてコラムにします。

目次

1.海上自衛隊の処分待ちの退職代行について

海上自衛隊に所属している自衛官の方が処分待ちで、なかなか退職ができないというご相談をよく受けます。一般的に処分待ちとは、在職中に、服務規律違反事項が発覚し、その調査から懲戒処分が決まるまでの状態を言います。

他の職種の公務員と異なり、一度、処分待ちの状態となった場合には、処分が出るまで、1年から3年程度かかることがよくあります。

また、処分待ちの際には、昇進などの待遇面や処遇面で不利益な扱いをされるなどご本人にとって多大な負担がかかります。

今は、表立って問題となっていませんが、処分待ちの状態が長期に渡っている現状があまりにも酷いため、いつかは問題となるのではないかと思っています。

さらに、海上自衛隊の自衛官の方が処分待ちになった場合には、かなりの処分が審査待ちとなっているためになかなか処分がでません。

その処分待ちが長いことが原因となって、職務に対するモチベーションの低下が起こり、さらに、服務規律違反にあたる行為を行なってしまうこともあります。

私の方では処分待ちの退職代行をかなりの件数行って来ました。処分が出るまでどのぐらいかかるかについて、よくご質問を貰いますが、個々の事案をヒアリングしないとご回答ができません。

どちらの所属か、処分の理由(原因)はどのようなものか、相手方がいるかなど、ヒアリング事項は多くあります。しかしながら、私(弁護士)の方で、処分待ちの退職代行を行うことで、通常の期間より早く処分が出ることがほとんどです。


例えば、服務規律違反としては、帰隊遅延、不正外出、不正公金、パワハラ、セクハラ、営内飲酒、刑法に該当する窃盗、横領、児童ポルノ等製造、暴行、住居(建造物等)侵入など、過去に対応した退職代行事案になります。

その中でも、私の方で交渉することで、比較的、短期間(数ヶ月単位)で、処分宣告までもって行っていますので、お困りでしたら、遠慮なく私までご相談ください。

2.外出許可中の退職代行が多くあります

次に、海上自衛官の処分待ちの退職代行の際には、外出許可中での退職代行をするケースが多くあります。週末の外出時に帰隊しないなどの交渉からはじめて、次の出勤日から休暇を取得しつつ、退職にもっていく退職代行の方法を取る場合もあります。

処分待ちの状態で、精神的に限界となってしまい通常の職務遂行ができなくなってしまうケースもあります。精神的に限界でありましたら、遠慮なく私までご相談ください。弁護士が退職代行を行うことで、次のステップに進めるようにサポートしていきます。

3.まとめ

自衛官の処分待ちの退職代行の際に、途中で、退職の意思を撤回できますか?と言う質問をもらうことがあります。

処分待ちの状態がスムーズに終わった場合に、やはり部隊に戻りたいというご希望をもらいます。自衛官の方は国家公務員にあるため、特段の事情(信義則に反しない場合)がない限り、辞令(免職)交付がされるまでは、退職の意思は撤回できます(判例)。

したがって、自衛官の懲戒処分待ちの場合で、退職代行した場合でも、退職代行後でも、退職の撤回をすることもできます。私の方では、色々なケースで自衛官の退職代行をしていますので、遠慮なく私までご相談ください。

・参考コラム

第20回『自衛官の懲戒処分待ちの退職代行』について

第21回『自衛官の懲戒処分待ちの退職代行』その2について

第73回『自衛官のための懲戒処分待ち→停職処分→退職代行』について

第108回『航空自衛官の処分待ちの退職代行がおすすめな理由』について

・参考条文

自衛隊法第40条

隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。

・ポイント

『懲戒処分待ち』の際には『自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときにあたり』退職することができません。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。

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